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ツマサキブログ

えろ漫画家ユニット「左カゲトラ」と同人サークル「ツマサキレーベル」(旧ユビサキスタジオ)のブログ。2012年1月からここで更新。単行本「らぶちゅーらいふ」好評発売中「はつじょーでいず」2014年六月末発売!コミケ86のスペースは三日目(日曜日)東ネ05a「ツマサキレーベル」でございます

「現実」は勝利していない(「シン・ゴジラ」ネタバレありの感想っぽいような考察っぽいよなあれそれ

ども、カゲトラです( ΦωΦ)

シン・ゴジラは二回観ました。いいっすねシン・ゴジラ

あの破壊シーンだけ延々リピートして観て絶望に浸りたいです。らーらーらーらー らーらーらーらー♪

 

さて、ブログのタイトルですが。

(ま、これについて誰かが他で書いてるかもしれませんが、おいらは見てないので書きます)

だってそうじゃん?ということです。

 

映画の中で、現実はゴジラに敗北したんです。

自衛隊の最大武力攻撃はゴジラに何の損害も与えられず、ピエール瀧は対ゴジラの表舞台を去る宣言をし、花森防衛大臣は奇声をあげて机を殴り、内閣閣僚はゴジラの放射熱線(通称内閣総辞職ビーム)で敢え無く散ります。

完膚無きまでの敗北です。日本絶滅ぐらいの勢いです。

 

では、じゃあ何が虚構の権化たるゴジラに勝ったのか?

これも簡単。虚構です。

ヤシオリ作戦。冗談みたいな作戦内容です。無人在来線爆弾とか(特に字面の)インパクトはすごいですがご都合主義の権化ですよもう。もしゴジラが線路上にこなかったらどうすんのこれ。ビルだって都合よく倒れてますけど、爆破したのはともかくミサイルでそんなうまくいくの?とか。ゴジラに飲ませる液体だって何やら得体が知れない。ロングアーム車を、アーム伸ばしながら運転して倒れないはずがない。

そんな虚構たちが、ゴジラを無力化します。

 

結局は、虚構vs虚構なんです。毒を以て毒を制すみたいな。

 

しかしまあ、巨災対(この組織自体が虚構の象徴ですね)を現実側として見てた=最後まで虚構vs現実という構図だと思っていた人も多いと思うので(おいらも一回目はわりとそうでした)、そのへんの話をちらっとしておきます。

 

わかりやすく「ここからが虚構だよー」と宣言してるのは、ヤシオリ作戦前の矢口の演説シーンですね。

しかしこれは実は「ここからは虚構100%だよー」の宣言です。じゃあどこから虚構が入り込んでるんだよ、というと、それ以前にも虚構入るよーと宣言しているシーンがいくつかあります。それが巨災対の設立と、カヨコの登場です。

このあたりからじわりじわりと現実の中での虚構の台頭が始まっており、劇中一番のスペクタクルである大破壊(と、総辞職ビーム)によって現実は舞台を去り、巨災対のメンバーを招集した泉ちゃん(いいキャラですね、大好きです)が再登場することによって、いよいよ虚構vs虚構の対決という構図が全面的に立ち上がるわけです(なので、ここ以降法案がどうとか被害者がどうとかいう話は出ません)。

しかし突然虚構満載だと視聴者も悪い意味で度肝を抜かれてしまうので、素っ頓狂なシーンも投げ込みつつ、あくまで現実ベースのように見せつつ徐々に虚構の成分を高め、鍋に放り込んだカエルが知らず知らずのうちに煮えるように、気がつけば虚構どっぷりに持っていくわけです。正直すげえ。

 

 と、まあ構造としてはだいたいこんなふうになってるんじゃないかなあ、という話です。

でもって冒頭というかブログタイトルに戻って、「現実」は勝利していないわけですが、じゃあ虚構しか残ってないのかよ、それでいいのかよ!と憤る方もいらっしゃるかもしれません。あるいは、いやいや勝ったのは現実だよ、日本人だよ、と言う方もいるでしょう。あんだけ「現実vs虚構」って言ってたのになんかしっくりこない感じになったなあ、と思う人も多いでしょう。

 

それについての回答は、なんだか大げさな話になっちまいますが、これから各人が見つけていくしかないのかなあ、と思っています。個人的には、劇中の「虚構」は、(どちらも)いつか新しい、それがある「現実」へと変貌していくものだし、それを飲み込んで受け入れることができるのが日本人の強さだよ、と言われているような気がしています。この国はそうやって戦後を生き、そして震災後を生きていくのだから。

終わり。

 

おまけ:

二回目見たら安田さんちょーうざくてよかった。すばらしいオタク。

二回目みたら花森防衛大臣がはじめは慎重派なのに最後はイケイケでおもろかった。初回鑑賞後にトリガーハッピーとか言ってごめんね。武力があなたを狂わせたんだね。w

第二形態のソフビほしい。あのいちばん話通じなさそうな目がかわいい。

劇中複雑なのは、虚構(ゴジラ)が現実(破壊)をひっぱってきたり、現実(旧内閣)が虚構(巨災対)を設立したりと、ねじれ構造になってるところかなあ、と。まーそれが巨災対が虚構であることををカモフラージュしてるんですけどねー

そして庵野監督の、「たったひとつの嘘をつき通すために細部を徹底的に本当でリアルに作りこむ:姿勢ほんとすげえ、と思った。少なくともオタクはみんな騙されてる。エヴァ待ってます。

あと、鷺巣音楽と伊福部音楽の使い分けにもなにか法則性がある気がします。詳しい人まかせた。

飲み会で「もし第二形態第三形態のときに攻撃してたらそこで殺せたんかね」という話をして、いろんな意見が出て面白かった。自分がifものでこんなに盛り上がれるとは。

ゴジラと全然関係ないんだけど、夏コミ新刊他書店さんで好評販売中です。くわしくはこちらのエントリをどうぞ。